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日本企業の86.4%が生成AIを使い、会社として決めているのは21.5%

2026 / 08 / 05AIdollargame 編集部読了 約7分
古い製材所の作業場。機械と道具が並ぶ

「AIを入れたら、うちの社員は要らなくなるんですか」

導入の相談をいただくと、社長より先に現場の方からこの質問が出ることがあります。無理もありません。ニュースで流れてくるのは、たいてい人員削減とセットの話だからです。

では実際のところ、日本の会社でAIは何をしているのか。この問いを、日本・米国・ドイツ・中国の企業に聞いた調査で確かめます。総務省が先月公表したばかりの白書です。

日米独中の企業に聞き、日本は515件が回答した

総務省が2026年7月に公表した、令和8年版の情報通信白書に含まれる企業向け調査です。

最後の1行は大事なので先に書いておきます。これは「AIを入れた結果どうなったか」を追跡した調査ではなく、企業がいま何をしているかを聞いた調査です。

もう1つ。回答者はすでにデジタル化に着手している企業に限られています。日本の全企業を代表する数字ではありません。

使っているのは86.4%。いちばん多い用途は議事録とメールだった

自社の何らかの業務で生成AIを利用していると答えた日本企業は86.4パーセントでした。前年度調査の55.2パーセントから大きく上がっています。

差はほとんど無くなりました。使っていない側が、すでに少数派です。

そして何に使っているか。日本でいちばん多かった用途は「議事録・メール作成補助」で、およそ7割。導入効果を実感していると答えた業務も、同じく議事録・メール作成補助が最多でした。

人の代わりに仕事をさせているのではなく、書類仕事の下ごしらえをさせている。それが今の日本の使われ方です。

でも「会社として決めている」のは21.5%だけだった

同じ調査に、生成AIによる業務変革に組織としてどう取り組んでいるかを聞いた設問があります。日本の回答(n=497)はこう分かれました。

3段のはしごとして読むと、日本の現在地がはっきりします。

使っている人は多い。でも会社として決めているかというと、3社に2社。全社で変えるところまで行くと、5社に1社です。

「組織的な取り組みはない」27.0%は、米国の1.4%と比べて突出している

いちばん差が出たのは、何も決めていない層の厚さでした。

日本だけ、桁が違います。

つまり日本で起きているのは、社員が個々に使ってはいるけれど、会社としては何も決めていない、という状態です。4社に1社がそこにいます。

社員がAIを警戒する本当の理由も、たぶんここだと思っています。仕事が消えることより、会社が何も説明しないまま話が進むことのほうが怖い。

日本がいちばん負けていたのは、社内データをAIが読める状態にすることだった

では何が足りないのか。白書は環境整備の状況も項目別に聞いています(日本 n=326、米国 n=276)。

いちばん差が開いたのは、下から3番目です。社内データをAIが参照できる状態にしているか。日本24.5に対して米国57.2、ドイツ54.4、中国73.0でした。日本だけが半分以下です。

ここが、86.4パーセントが議事録とメールで止まっている理由だと考えています。

汎用のAIに議事録を整えさせるのは、社内データがなくてもできます。でも「うちの規程ではどうなっていたか」「あのお客様への前回の回答は何だったか」に答えさせるには、社内の文書をAIが読める場所に置く必要がある。そこに手をつけた会社が、日本では4社に1社しかいません。

中小企業では30.3%が着手。白書はAIを「補完」と書いている

もう1本、中小企業庁が2026年4月に公表した2026年版中小企業白書からも。帝国データバンクの調査(n=5,645)をもとにした数字です。

2019年以降にAI活用に取り組んだ中小企業は30.3パーセント。部門別ではバックオフィス部門73.4パーセント、営業・販売・顧客対応部門68.2パーセント、製造・生産管理・物流部門57.2パーセントでした。

そして白書は、AIの役割をこう書いています。既に人手が足りていない中小企業にとって、AIは省力化という側面だけではなく、既存の従業員の業務のアウトプットを補完する役割にもなり得る、と。

置き換えではなく補完。国の白書がその言葉を選んでいることは、社内で説明するときに使える材料だと思います。

白書が挙げた成功企業の共通点に、中小企業だけ持てないものが1つある

白書には、先進的に取り組む企業と有識者へのヒアリングから得られた示唆もまとまっています。要約するとこうです。

読んでいて、中小企業にとって決定的に1つだけ足りないものがあると思いました。

DX推進部門です。

経営層が方針を示すことも、役割分担を決めることも、社長がその気になれば今日できます。でも「現場の困りごとを聞き取って、技術の部分を引き受けて、伴走する部署」だけは、社員数十人の会社に置きようがありません。うまくいった会社の条件に入っているのに、中小企業には最初から無い。

27.0パーセントが生まれている実務上の理由は、やる気ではなく、ここだと考えています。

会社として決めるのは、実はこの4つだけ

とはいえ、組織的な取組と呼ばれているものは、分解するとこの4つに収まります。

  1. どの業務から任せるか。全部ではなく、まず1つ
  2. 誰がAIの答えを確認するか。担当を名指しで決める
  3. 入れていい情報と、入れてはいけない情報の線引き
  4. 効果を何で測るか。時間か、件数か、待ち時間か

この4つを紙1枚に書いて共有するだけで、「組織的な取り組みはない」の27.0パーセントからは抜けられます。逆に、ここを決めずにツールだけ配ると、便利に使う人と一切触らない人に分かれて終わります。

まとめ

社員がAIを警戒するのは、正常な反応だと思っています。ただ数字を見るかぎり、恐れられているようなことは、まだほとんど起きていません。

起きていたのは、議事録やメールの下ごしらえが速くなって、手が回っていなかったところに手が届くようになったことでした。

面倒な作業をAIに引き取ってもらって、空いた時間をどこに向けるのか。決めるのは会社の側です。

最後に

株式会社AIdollargameは、中小企業向けにAIを自社開発して、導入から運用まで付き添っている会社です。白書でいう「DX推進部門」の役目を、外から引き受けるのが私たちの仕事だと思っています。

自社がさきほどのはしごのどこにいるかは、無料のAI活用度診断で確かめられます。

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最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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