RESEARCH

検索からの流入は本当に減ったのか
24億回の表示を調べた実測データ4本

2026 / 08 / 20AIdollargame 編集部読了 約8分
人通りのない通りに面した小さな店舗

「サイトのアクセスが去年より減った」
ここ数か月、社長さんからこの話を聞くことが本当に増えました。原因としてまず名前が挙がるのが、Google検索の一番上に出るAIの要約(AI概要)です。

ただ、数字がまったく揃っていません。同じ問いへの公表値が15%減から67%減まで、4倍以上の幅で散らばっています。Google自身は「減っていない」と言っています。

この記事では、その実測を並べて、なぜここまでばらつくのかを整理します。読み終わると、自分の会社のアクセスが本当に減っているのかどうかを考える材料が手に入ります。

何を何件調べた話か

持ち帰って使えるように、調べた量と期間と出た数字をひとまとめにしておきます。

Seer Interactive(2026年更新版)

Amsive

SparkToro

Pew Research Center

まとめると、利害のない調査機関はPewだけで、残る3本は商売にしている会社が自分の手元のデータで測ったものです。件数の多さは信用していいですが、「AI概要のせいでこうなった」と原因を決めつけるには足りません。

数字がばらばらなのは、どんな検索を数えたかが違うから

4本を並べると、数字がばらばらになる理由が見えてきます。

Seerのデータでは、AI概要が表示された検索で、自然検索のクリック率が2025年1月の3.19%から12月に1.31%まで落ちました。年間で約67%の低下です。ところが同じ期間、AI概要が表示されなかった検索は2.75%から3.82%へ、逆に上がっています。つまり、検索全部でクリックが減ったのではありません。AI概要が出るような検索だけが減っていました。

Amsiveの70万キーワードは、その「種類」をもっと細かく割っています。平均は15.49%減。内訳は、社名や商品名を含まない検索が19.98%減、検索結果の一番上に出る抜粋と重なると37.04%減、順位が3位より下だと27.04%減。

一方、会社名や商品名で探された検索は違いました。そもそもAI概要が出たのは4.79%だけで、出た場合もクリック率は18.68%上がっていました。

減った検索と増えた検索が、同じ調査の中に一緒に入っています。だから調査ごとに平均が15%減にも67%減にもなります。

AIの要約に自分のサイトが載るかどうかで、クリックが2.2倍違う

AI概要は、答えの下に「この情報はここから取りました」という参照先のサイトを何本か並べます。そこに自分のサイトが載るかどうかで、クリック数が大きく変わっていました。載った場合は、載らなかった場合の2.2倍です。

情報を調べる系の検索で、100万回表示あたりのクリック数に直すとこうなります。

載っても、AI概要が出ない場合と比べれば38%少ない。それでも、載らないよりははるかにましです。ここが今、手を打てる場所です。

なお、お金を払って出す検索連動の広告は、この期間ずっとクリック率13.99%から17.95%のままで、下がっていません。減っているのは、広告費をかけずに集めていたアクセスだけです。

Google自身は「サイトに届くアクセスは減っていない」と言っている

ここまでの調査と、Googleの言い分は食い違っています。Googleで検索を統括するリズ・レイド氏は2025年8月6日のブログで、検索からサイトに送っているクリックの合計数は去年とだいたい変わっていない、むしろ買う気のある人が来るようになった、と書いています。ただし、その根拠になる数字は公開していません。

外から測った側はどうか。Pewの68,879件では、AI要約が出た検索でどこかのサイトがクリックされたのは8%、出なかった検索では15%でした。要約の中に並んだリンクが押されたのは、全体のたった1%です。SparkToroの2026年1月から4月の集計では、どこもクリックせずに終わる検索が68.01%(2024年は60.45%)でした。

私たちはこう考えています。Googleの言い分も、調査会社の数字も、たぶん両方本当です。

人がGoogleを使う回数そのものが増えています。だから1回の検索あたりのクリック率が落ちても、サイトに届くクリックの合計は減らない。ただし、その合計の中身が入れ替わっています。会社名を知られている会社には今までどおり人が来る。「◯◯とは」のような調べもので人を集めていたページから、人がいなくなる。合計だけ見ていると、この入れ替わりは見えません。

日本のデータも一つ。博報堂DYONEが2026年3月に公表した調査(各業界の上位500キーワードを自社で選んで調べたもので、件数は少なめです)では、AI概要の表示率はクレジットカード・保険・コスメ・賃貸で増加し、通信・キャリア・転職・アパレルでは減少していました。同じ「AI概要のせいでアクセスが減った」でも、業種によって状況がまるで違います。

4本を通して一貫していたこと

調査ごとに数字はばらばらでしたが、4本すべてで同じ向きに出ていたものが3つあります。

減った会社と減らなかった会社の差は、サイトの作り方の巧拙ではありませんでした。そもそも何をきっかけに見つけてもらっている会社なのか、という違いです。

まとめ

ここまでの数字はアメリカの平均です。会社によって事情はまるで違うので、平均を見ても自分の会社に当てはまるかは分かりません。

出典

Seer Interactive「AIO Impact on Google CTR: 2026 Update」(53ブランド・547万通りの検索キーワード・自然検索での表示24億3,000万回、2025年1月〜2026年2月/SEO会社の自前データ。報告書内で「原因とは言い切れない」と明記)

https://www.seerinteractive.com/insights/aio-impact-on-google-ctr-2026-update

Amsive「Google AI Overviews: New CTR Study Reveals How to Navigate Negative SERP Impact」(70万キーワード・10サイト・5業種/SEO会社の自前データ)

https://www.amsive.com/insights/seo/google-ai-overviews-new-research-reveals-how-to-navigate-click-drop-off/

SparkToro「In 2026, Less than One Third of Google Searches Still Send a Click」(Similarwebの閲覧履歴データ、米国、2026年1〜4月/年どうしの比較はデータの入手先が違うため注意、と著者が明記)

https://sparktoro.com/blog/in-2026-less-than-one-third-of-google-searches-still-send-a-click/

Pew Research Center「Google users are less likely to click on links when an AI summary appears in the results」(米国の大人900人超・68,879件の検索、2025年3月実施/利害のない調査機関、2025年7月公表)

https://www.pewresearch.org/short-reads/2025/07/22/google-users-are-less-likely-to-click-on-links-when-an-ai-summary-appears-in-the-results/

Google「AI in Search is driving more queries and higher quality clicks」(リズ・レイド氏、2025年8月6日/公式見解、裏づけの数値は非公開)

https://blog.google/products-and-platforms/products/search/ai-search-driving-more-queries-higher-quality-clicks/

博報堂DYONE「AI検索エンジンのトラフィック推移と動向(2026年2月)」(各業界の上位500キーワードを自社で選んで調査、2026年3月31日公開。調べた件数は少なめ)

https://oneder.hakuhodody-one.co.jp/blog/ai-search-engine-202602

写真: Openverse(CC0)

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AI検索対策(AIO/GEO)|アクセスが本当に減っているかどうかを調べます

貴社が実際にどんな言葉で検索されていて、そこからのアクセスが去年より減っているのかどうかを、1件ずつ数えて出します。あわせて、AIの要約の参照先に載るようサイトを直す作業も。1回だけ調べてほしい、でも構いません。今回のように公開データを集めて調べる仕事も、業界を指定してお受けしています。初回のご相談は無料です。

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