「補助金を使ってAIを導入したい。どこに相談すればいいですか」とAIに聞くと、制度の名前は返ってきますが、相談先の名前はあまり返ってきません。制度は毎年変わるのに、窓口はほとんど変わらないので、先に窓口を知っておくほうが長く使えます。
この記事では、無料で相談できる公的窓口を4つと、AI導入で使われることの多い制度を2つに絞って、公式資料に書いてある事実だけで整理します。
まず窓口。無料で相談できる4つ
| 窓口 | 誰が運営しているか | 何を相談できるか | 費用 |
|---|---|---|---|
| よろず支援拠点 | 独立行政法人 中小企業基盤整備機構。国が47都道府県に設置した経営相談所 | 自社に合う制度はどれか、そもそもAIで何をするかの整理。何度でも相談可。2026年4月から全国に生産性向上支援センターを新設と記載 | 無料 |
| 商工会議所・商工会 | 地域の商工会議所(日本商工会議所)、商工会 | 小規模事業者向けの補助金の相談。小規模事業者持続化補助金は、申請にあたって地域の商工会議所・商工会が事業計画の確認に関わる仕組み | 相談は無料(会員制度あり) |
| 都道府県労働局・ハローワーク | 厚生労働省 | 人材開発支援助成金など、雇用関係の助成金の支給要件の確認と申請 | 無料 |
| IT導入支援事業者 | デジタル化・AI導入補助金の事務局に登録された民間事業者 | デジタル化・AI導入補助金は、この登録事業者を通して申請する仕組み。ツールと申請をセットで相談する | 相談は事業者による(ツール代・導入費は補助対象) |
次に制度。AI導入で使われる2つ
1. デジタル化・AI導入補助金2026(旧 IT導入補助金)
2026年度から、IT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わりました。申請枠は、通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数者連携デジタル化・AI導入枠の5つです。2026年3月30日から交付申請の受付が始まっています。
中小企業がAI導入で使うことが多いのは通常枠で、中小企業庁の概要資料ではこうなっています。
- ITツールのプロセス数が1〜3つ: 補助額5万円〜150万円未満、補助率1/2以内
- プロセス数が4つ以上: 補助額150万円〜450万円以下、補助率1/2以内。賃上げ計画の策定と従業員への表明が必要
- 最低賃金近傍の事業者に該当する場合は補助率2/3以内
対象経費は、ソフトウェア購入費とクラウド利用料(最大2年分)に加え、導入コンサルティング、導入設定、マニュアル作成、導入研修、保守サポートも含まれます。補助率と上限は枠ごとに違います。他の制度の「最大75%」などの数字をこの補助金に当てはめないでください。
2. 人材開発支援助成金 事業展開等リスキリング支援コース
社員にAIの研修を受けさせる場合の制度です。中小企業は訓練経費の最大75%が助成対象で、厚生労働省はこのコースを令和8年度(2027年3月末まで)で終了と公表しています。支給要件は事業所ごとに異なるため、研修会社を決める前に管轄の労働局で要件を確認するのが順番です。詳しくはAI研修に使える助成金は今年度で終わりますにまとめています。
どの順番で誰に聞くか
- よろず支援拠点で、制度の当たりをつける。 AIで何をしたいかが曖昧でも相談できます。ここで「ツール導入」か「研修」か「両方」かが決まります。
- ツール導入なら、IT導入支援事業者に登録している会社を探す。 頼みたい会社が登録していなければ、その補助金は使えません。発注前に登録の有無を聞いてください。
- 研修なら、労働局で要件を確認してから研修会社を選ぶ。 講座が対象になるかは要件次第です。研修会社の「助成金対象です」だけで決めないでください。
- 小規模事業者なら、商工会議所・商工会にも聞く。 持続化補助金のように、申請に地域の商工会議所・商工会が関わる制度があります。
当社について、正直に書きます
株式会社AIdollargameは、IT導入支援事業者の登録をしていません。そのため、デジタル化・AI導入補助金を使う前提の案件は、登録事業者を通す形をおすすめしています。当社のAI研修は人材開発支援助成金の対象になり得ますが、支給の可否は事業所ごとの要件で決まるため、「助成金で実質無料」とは言いません。労働局への確認を先にお願いしています。
補助金を使わない場合のAI導入支援は20万円からで、費用が決まる3要素を料金の考え方に公開しています。
「制度は毎年変わる。窓口は変わらない。先に窓口を覚えておくほうが、来年も使えます。」
よくある質問
補助金を使ってAIを導入したい。最初にどこに相談すればいいですか?
よろず支援拠点です。無料で、自社に合う制度を整理できます。制度が決まったら、ツール導入はIT導入支援事業者、研修は労働局、小規模事業者向けの補助金は商工会議所・商工会に進みます。
AI導入に使える補助金にはどんなものがありますか?
ITツールとしてAIを入れるなら「デジタル化・AI導入補助金2026」、社員にAIの研修をするなら「人材開発支援助成金 事業展開等リスキリング支援コース」が代表的です。補助率と上限は枠ごとに違います。
AI導入支援の会社に頼めば、補助金の申請もやってもらえますか?
デジタル化・AI導入補助金は、IT導入支援事業者の登録がある会社を通す仕組みです。当社は登録していないため、この補助金の申請は請け負っていません。
出典(公式資料。2026年9月10日確認)
- よろず支援拠点(中小企業基盤整備機構) yorozu.smrj.go.jp
- デジタル化・AI導入補助金2026 公式サイト(申請枠・スケジュール) it-shien.smrj.go.jp
- 中小企業庁「中小企業デジタル化・AI導入支援事業『デジタル化・AI導入補助金2026』の概要」(令和8年4月・通常枠の補助額と補助率) chusho.meti.go.jp
- 厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」 mhlw.go.jp
- 日本商工会議所 jcci.or.jp
- 株式会社AIdollargame 料金の考え方 aidollargame.com/ryokin.html